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目の前のこと


週始めの、月曜日。

月末なので朝から集中して業務をこなし
とりあえず1時間程の残業をして切り上げた。

月曜だから、おとなしく帰って早めに休もう・・・

なんて思っていたら、帰りの電車内、うとうとしていたところに
ものすごい大きな物体がドサッと倒れこむ感覚と
「きゃあっっ!!」 という叫び声が聞こえた。


「車内で急病人が発生しました。
  只今救助しておりますので、しばらく停車します。」


このアナウンス、通勤電車内でよく聞いていたけど
ここまで目の前で発生したのは初めてだったので、驚いた。

ひきつけを起こして、泡を吹いて倒れる女性に
どうしていいかわからず騒然とする車内の人たち
「非常停止ボタン押してください!」
「どこにあるの???」
色んな声が飛び交う。
患者を動かしていいのか悪いのかもわからないし
わたしもどうしていいかわからず立ち尽くしてしまう。


そんな中、絶妙なタイミングでドクターらしき人が現れた。


見事な手順で倒れた女性を介抱し
倒れた女性にも、周りの人々にも明るく大きい声で励まし続けた。
周りをリードしながら、てきぱきと指示を出し
女性の着衣を緩めるときも、「見ないであげてねー」と心配りをしていた。

やがて女性の意識が戻り始め、次の駅では担架を持った駅員が待機していた。

周りの人々はドクターらしきその男性に頭を下げたり、お礼を言ったりしても
「いやいや、お互い様ですよ!」と、実に嫌味なく爽やか。

大事には至らないようで、ドクターは何事もなかったように・・・
というより、むしろ目立たないように、ひっそりとした感じで再び本を読み始めた。


ドクターであれば、こういった緊急事態は慣れているのだろうけど
実に冷静で、実に見事。

何より患者さんを励まし安心させたり
場の緊迫感をぱぁっと明るく安堵に導く彼の人間性に感動した。


自分の身内を死の淵から救ってくれたドクターを思い出した。
彼も技術はさることながら、ちっとも偉ぶらない、素晴らしいドクターだった。
目の前の命を救う。
あたりまえのことをしただけ。 というスタンス。


心得がないにしても、こういう時に、自分って無力だな・・・と思ってしまう。

なんとも情けない。


医療にかかわることは自分には難しいことだけど
日々の何気ない場面でも、自分にできることはしていこう。

きっと、日々のあたりまえのことを淡々とこなしていく力が
いつしか自分の中で大きな力となって蓄えられて
窮を要する場面で、爆発的な力となるのかもしれない。


こつこつこつ。
 


・・・でも、きっと


ほんとはそんな風に意識するものじゃないんだろうな。
 


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Comments

えーー!
目の前で人が倒れることってあるんだねーー!
しかもお医者さんが偶然乗り合わせてるなんて!
実際目の前で人が倒れても、どうしていいか分からずにおろおろして終わっちゃいそうだな・・私。

以前うちの駅で、前をあるく人たちがちらちら地面をみて通りすぎていくので、列の後ろからなんだろうと思って見てみると、人が倒れてました。
みんな気にはしているけど、酔っ払っていると思ったらしく(私もそう思った!)ただなんだろう・・みたいな感じて通り過ぎて行くだけだったけど、一人の人が駆け寄ってみると口から泡を吹いて倒れている病人の人だった。
なんだかすぐに駆け寄れなかった自分に落ち込みました。。
もしかして酔っ払ってる人かも・・と躊躇して何もできなかった自分がふがいなくて、自分てこんなに薄情な人間だったのかとショックでした。
ほんとに毎日の生活の中で、困ってる人に声をかける習慣を自分で作っていないと、いざってときに声ってかけられないものです。。

一時期、バスで殴られている人がいるのに、乗客の誰も助けなかったとか、電車で女性が乱暴されそうになってるのに誰も止めなかった事件とかありましたが、ああいう時も自分だったら止められるだろうか、と自問自答してしまいました。
なんだか見て見ぬふりをして、後で死ぬほど後悔するのはつらいなぁ。

Posted by: namilinda | July 12, 2008 at 06:57 PM

そうなんだよ・・・
電車内での 「急病人が・・・」 のアナウンスも聞き慣れていたけど
同じ車両で、しかも目の前で起こったから、みんな騒然としていたよ。
白目むいて泡吹いてガタガタ震えてるし、顔色赤くなったり青くなったり・・・
完全に意識なくなってるし、その場で何をどうしたらいいのか・・・
みんなわからなくなっていた矢先に、ドクターらしき人が登場したんだよね。
本当に、急病人に対しての的確な対応はもちろんのこと、
周りの人々や、その場の空気までも気を配って安心に導く姿に感動したよ。
急病人が、おそらくてんかんの発作か何かで、緊急事態ではなかったことも何よりだった。

以前、救命救急センターにいた知人にも話は聞いていたけど
命の現場ってのは本当に緊迫していて、現場は凄まじいみたいだからね。
人にはそれぞれ役割があって、どんな仕事にだって意味はあるんだろうけど
それでもやっぱり人が人を救う、医療に携わる人々には敬意を表してしまう。
(だからって医者がみんな人格者かどうかってのは別としてもね)

過去に悪酔いして気分が悪くなったときに介抱してくださった見知らぬ人や
駅の階段を踏み外して見事な階段落ちをした時に駆け寄ってくれた人々や
コバンザメみたいに張り付いて離れない変態みたいな痴漢を撃退してくれた人々とか
なんか色んなこと思い出した。
なんだかんだ言っても、人は人で救われるのよね。

勇気のある行動を、さり気なく自然にできる強さ。
実はその勇気ある行動って
大げさではなくて命がけになることだってある。

常に逃げずに完璧に目の前のことを・・・なんて
正直言ってできない気がする弱いわたしだけど
人によって支えられてきている実感はあるから、感謝を形にしていきたい。
それがたとえ見ず知らずの人であっても。
自分を大事にすることが、誰かを大事にすることと同じように
見ず知らずの人を大事にすることが
大切な誰かや、自分をも大事にしていることに繋がる。
すべては繋がっているからね。

Posted by: つるこ | July 12, 2008 at 09:54 PM

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