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森のイスキアからの伝言

わたしが佐藤初女さんを知ったのは、いつだったか。

映画「地球交響曲 第二番」を初めて観た時だったので、
おそらく10年近く前ではないだろうか。

あれからずっと、わたしの中で初女さんという人は息づいていた。
たまに忘れることがあっても、何かの拍子に思い出したりする存在。
ジャック・マイヨールやダライ・ラマは知っていても
佐藤初女さんという女性はそれまで知らなかった。
この映画で出会ってから、わたしの中では聖女のような存在。

佐藤初女さんは、青森県弘前市のご出身で
小学校教員を経て、染色教室を営みながら
悩める人々を受け入れるために自宅を開放し
1992年には岩木山麓に「森のイスキア」を開かれ
今なお人々を受け入れ、手作りのごはんを振舞われている。


先日、初女さんの講座に行ってきた。
この日を夏頃から楽しみに待ち、
インターネットで「森のイスキア」について検索してみては
「行ってみたいなぁ」なんて思っていた。
当日は当然満席。
張り切って一番前の席で初女さんを間近で見ると、
肌の色も健康そのもので、肌つやもよく、
品のいいワンピースに素敵な真珠のブローチを
さりげなく身に着けていらっしゃった。

初女さんのお声が、映画の時のとつとつと語るあの声そのままで、
飾らないありのままの声の波動を全身で感じ、一瞬震えた。

初女さんといえば、おにぎりと梅干し。

食べることを大切に考えている。
調理するこころは、その人の生き方を映す。
ごはんをつくる時の、食材に向かう姿勢の何と慈悲深いこと。
おにぎりを握る時も、お米の一粒一粒が呼吸できるようにと心がけている、という。
その食材のいのちを最大限に活かして調理し、
それを食べる人のいのちと融合して、新たな輝きを増すのだろう。


「食べ物を食べて、おいしいと感じた時に
 皆さんの心の扉が開かれて、
 ぽつりぽつりとね、話されるんですよ。
 話し出すうちに自分のことがわかってきて
 行動に移されるんです。
 行動に移すことで、
 周りにも変化が目に見えて
 わかってくるんです・・・ 」


食べることは、生きること。
食べることは、受け容れること。

行動に移す前の、その人にとっての大きな気づき。
光が射し込むような、雷が落ちるような、変容の力。

それを呼び覚ます、食の力。


初女さんは、昨今の社会問題や個人の問題、教育も、食で解決すると思っています・・・と語っていた。

思えば自分も、食べ物を受け付けなくなっていた時期は、魂の声を無視していた。
生きてなかった。いきてなかった、息してなかった・・・
呼吸も浅く、食べ物も栄養も取り入れられなかった、自分。
健康な時は意識することもない、食べることと呼吸すること。
これって生きる基本だった。

初女さんの講演中、夢中でノートに書き留めていて
気づいたら6ページにびっしりと文字が埋まっていた。
どれもこれも宝石みたいな言葉だったから。

一見穏やかに見える初女さんの表情が引き締まり
ひときわ声に力が入る瞬間があった。

それは「行動すること」について語っていた時。

一人一人との出会いを大切に
小さいこと一つ一つを大切にすることが
「今を生きる」ということです。
今この瞬間を生きていると、自ずと道は示されてきます。
一つ一つを丁寧に積み重ねていくこと。
手を合わせて祈るのが「静の祈り」だとしたら、
同じことを心に抱きながら、行動するのが「動の祈り」。
私にとっては、生活すべてが「祈り」です。


まるでマジェンタの人だ。

とっさにマザー・テレサが浮かんできた。


「緑の野菜をゆがくことで、緑が輝く瞬間があるんです。
 炒め物でも、その食材が輝く瞬間。
 食材が透明になった時に火を止めたり
 冷やしたりして食べると、おいしいんです。」


わたしは人に対しても、その人の持つ独特な透明感に惹かれる。
もちろん透明人間になることはないけれど、
人でも植物でも動物でも、いのちが純粋に輝く瞬間は、
透明な輝きを放っているのではないだろうか。


* * * * * * * * * *

私たちひとりひとりの中には神様が宿っています
ですから、どんな人と会う場合でも
その人の中にいる神様との出会いを意識しています
夜中に玄関のチャイムが鳴ると
「誰だろう?」と思って、身支度をしてから玄関に立ちます
開けていいのか悪いのか、すごく葛藤はあります
ですが、私が「怖い」と思っても
もし私の中に神様がいらっしゃるなら
きっと戸を開けられるでしょう
そう思って、私は鍵を開けるのです


  おむすびの祈り ~「森のイスキア」こころの歳時記~
                 佐藤初女 集英社文庫

* * * * * * * * * *


優しさとは、強さだろうか。
強いから、優しくなれるのだろうか。

透明なものは、ダイヤモンドのように強く、輝き続ける。

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Comments

 私も同じ映画で彼女を知った一人です。特に初女さんは私の故郷の弘前にいるということで、岩木山をドライブしている時に、「森のイスキア」に辿り付いた事があります。でも、自分はただ初女さんに逢って見たいだけだし、もっと切実に悩んでいる方がいるのだろうと、尋ねるのは遠慮しました。数年後、NHKの講座で、初女さんのおにぎりを食べに行こうというのがあり、申し込んでいたのですが、なぜか捻挫。きっとその時期じゃないのでしょうね。
 ケッコウ弘前も八戸もいろんな方がいて面白い街だと思います。
 それにしてもつるこさん、最近、絶好調では?スピリチュアルな毎日ですね!
 あの老女と手をとっていた時間の話とか、読んでいるうちに泣けてきましたよ。
 そういえば先日ラジオでマドモアゼル愛の相談室の答えを聞きました。まともな答えでしたよ(笑)。

Posted by: caetanov | December 18, 2006 at 10:53 PM

弘前にいらっしゃるときは、私の実家に泊まります?^^

『誰ピカ』に出てらしたとき紹介されてたお米の
とぎ方と握り方は真似するようにしてます。
実際に初女さんのおにぎりを食べたことがないので、
どれくらい違うのかは解りませんが…、
でもおにぎりが上手くなったような気がしています。

Posted by: AKI | December 19, 2006 at 07:27 PM

>caetanovさん

でたっ!マドモアゼル愛!!
いやぁ、正体知った時の衝撃が蘇ります・・・(^-^;センセゴメン

確かに、森のイスキアに行きたいと思っても、全国から様々な悩みを抱えた方がいらっしゃっているのなら失礼になるのかな・・・
あの映画の影響力は大きいだろうから、お客さんも多いだろうし。
実際、先日の講座では、森のイスキアへの行き方とか宿泊についてとかの質問が多数出てました。
しかし、おにぎりとは不思議な食べ物ですね。
お米と塩で握っただけのものが、たまらなく美味しかったりするんですから。
素材や水加減だけではない、愛情込めて手で握るってのが大きいのかも。


>AKIさん

>弘前にいらっしゃるときは、私の実家に泊まります?^^
うわ!AKIさんに会う前にお母様が先だったりしてw
『誰ピカ』に出てたの知りませんでした~
お米一粒一粒にかける愛情も、野菜の切り方にしても細やかな心配りがある方ですね。
お話を聴いているだけで、心が洗われるようでしたよ。
そんなクリスチャンの初女さんの旧姓が「神(じん)」さんっていうのも偶然じゃないんでしょうねー・・・
「神 初女」って、なんかすごいお名前ですね。

Posted by: つるこ | December 19, 2006 at 09:05 PM

Hi there mates, its enormous piece of writing regarding cultureand fully explained, keep it up all the time.

Posted by: interstate removalist | June 16, 2015 at 12:54 AM

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