« てくてくてく | Main | あなたはクリスチャン? »

言葉の力、根源の力

言葉は心を伝えない。

言葉が心を伝えないことは

悲しいことではない。

言葉が心を伝えてしまったら

困ることがたくさんでてくる。


伝えられなかった心の中にこそ

最も大切な尊い何かがあるのではないか。

それがお互いを守るのでは、ないか。


 ~ 「言葉は心を伝えない」  銀色夏生 ~


************


以前、映画「ガイヤシンフォニー」の監督であり、数々のドキュメンタリー作品を手がけた龍村仁さんの講演会に参加した。

その時の話の中で、龍村さんは

「言葉は、海に浮かぶ白いヨットのようなもの」

と表現されていた。

白いヨットを動かすものは、海を渡る風や、波。
本当に何かを突き動かすのは、そういった根源の力だと。

人間は無意識の海で繋がっているっていうしね。
その深い深い海の底から湧きあがる思いが、人間の共通の思いに共鳴して、水の波紋のように感動が伝わるのかもしれない。

だから、言葉でうまく表現できなくても、心を込めて、魂を込めて、根源の力をもって表現する人の言う言葉は相手に訴えるし、相手の心を打つ。

口下手な人でも、一生懸命何かを伝えようとする人の思いは、胸に届く。
口がうまい人でも、胸には響かないときもある。

あえて言葉にしないということが、相手へのメッセージになることもある。

それでも、言葉にしなければならない場面もある。
あえて言葉で伝えてほしいときもある。

言葉は心を伝えない、というよりも、
心のない言葉は伝わらない、という感じなのだろうか。
言葉そのもののエネルギーもあるのだけど。


思いを伝えるのって、難しい。
そっくりそのまま伝えることは、ほぼ不可能に近い。
相手の受け取り方やコンディションによっても違ってくるし。

だからこそ、

相手の思いが伝わった時
相手に思いが伝わった時

涙が出るほど嬉しかったり、こころが痛くなるほど悲しかったりするのだろうか。

分かり合えないはずの他人が、分かりあえることって
奇跡みたいなものなんだろう、きっと。

|

« てくてくてく | Main | あなたはクリスチャン? »

Comments

つるこさん、こんにちは。

とても良い文章で、泣いちゃいました。
私、言葉で伝えるのが下手なんですよ。
だから、簡潔に的を得たこと言える人が羨ましいなあっていつも思ってました。
でも、言葉で完全に伝えるのって不可能なんですよね。
伝えたいのは、言葉じゃなくて気持ちなんですもんね。
気持ちを100%伝えるのもまた不可能なんですもんね。
それに気づかずに、言葉に頼って、言葉を尽くして伝えようとしてました。
私、なんだか楽になりました。
ありがとうございます。


Posted by: MISA | June 01, 2006 at 05:12 PM

MISAさん、こんばんは。

感情表現は、言葉だけではないですからね。
けれど、言葉を使うことは人間の特権だし、言霊もあるし、やはりとても大切なものだと思います。
同じ表現をするにしても、どんな言葉をどんな風に使うかも、「その人」が表れるので、反面怖いなぁ、と思うこともありますけどね。

自分以外の人はすべて他人であって、自分自身ではないので、今感じている思いをまるごとすべて理解してもらうことは不可能なんだと思います。
同時にすべてを理解してあげることも。
臨床心理学者の河合隼雄先生も、「心に関われば関わるほど、人の心などわかるわけがないということを思い知る」とおっしゃっていました。
昔のわたしは、この言葉が理解できなかったのですが、今はまさしくその通りだなぁ、と思います。
思い上がりに対する戒めと、物事との距離をとる訓練になる言葉です。

それでも、

限りなくその人の気持ちに近づけた時、寄り添えた時、汲み取ってもらえた時・・・

嬉しくなったり、涙が止まらなくなったり、こころが温かくなるのもまた事実。
きっとわたしも「繋がり」を実感したいのでしょう(^-^)

Posted by: つるこ | June 01, 2006 at 11:08 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74675/10281547

Listed below are links to weblogs that reference 言葉の力、根源の力:

« てくてくてく | Main | あなたはクリスチャン? »