« まずは、やってみること | Main | リップップ♪ »

光になる

昨日の朝日新聞の天声人語に、
先日の東京国際女子マラソンで優勝した
高橋尚子選手に関することが書かれていた。

ちょうど自分が書いた、前回、前々回の記事と
とてもリンクしているなと思ったので、
ここに載せておきたくなった。


2005年11月22日 朝日新聞 天声人語

「24時間はみんなに平等に与えられているもの。
 どうか、なんでも夢をもって一日一日を大切に
 過ごしてほしい・・・」

東京国際女子マラソンで見事に復活優勝した
高橋尚子選手の優勝インタビューでの言葉に、
不思議な説得力が感じられた。

インタビューでの前段では、こう言った。
「陸上をやめようかと思ったこともありました。
 でも、一度夢をあきらめかけた私が結果を出すことで、
 今、暗闇にいる人や苦労している人に、
 『夢を持てば、また必ず光が見えるんだ』
 ということを伝えたい、私はそのメッセンジャーになるんだと、
 走りながら自分に言い聞かせていました」

現実の世界は厳しい。
夢を口にすれば、きれいごとに聞こえる。
しかし、身をもって力を尽くし、
闇の中に光を見た人の口から外に流れ出ると、
夢という言葉に現実的な強い力が宿るように思われた。

大きな、アテネ五輪という大きな目標を失った後に独立し、
新しい支援チームと手探りで道をたどってきた。
今回の大会の間際には、足に肉離れを起こした。
レースで将来に響くような事故があれば、
本人もチームも批判されていただろう。
長い、起伏のある過酷な道を行くマラソンは、
レースそのものが人生行路を思わせる。
大きなひとかたまりで競技場を出た選手たちが、やがて小集団に分かれる。
それもばらけて直線になり、
ついには一人一人が点となって戻ってくる。

高橋選手は
「チームのきずなが私を勝たせてくれました」とも述べた。
夢を持てば闇の先に光が差すという、
一つの願いが通じた。


レース直前の記者会見で、自身の怪我について告白してことに対しては賛否両論があるようだけど、彼女が敢えて言ったからには、ただ自分自身を守るための言い訳ではない理由があったように思う。

正直言って、ここまで返り咲くとは思っていなかった。
小出監督の元を離れた時点で、
とても勇気ある決断だとは思っていたけれど。

普段からマラソンに特に興味があるわけでもないわたしが、
その日も午前中用事があって出掛けていたわたしが、
帰ってきてからたまたまリアルタイムで走る彼女の姿を見て、
過去の傷をトラウマのままにせずに希望に変えるために立ち向かう姿を見て、胸が騒いだし、鳥肌が立った。
右手を高く揚げて国立競技場のトラックに戻ってきた姿を見て涙があふれてきた。

何よりゴール直後のインタビューは、スポーツ選手という枠を超えて、一人の人間として、暗闇から自ら光を手に入れた人間としての魂の声とさえ思った。ワイドショーでかなり端折られていたのが残念なほど。

あの走りに、
あのインタビューの言葉に勇気づけられた人がどれだけいるだろうか。
わたしももちろん、その一人。


暗闇の先に希望という光を求め続ける人は、
いつしか自らが、まわりを照らす光となるのだろう。

|

« まずは、やってみること | Main | リップップ♪ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74675/7281472

Listed below are links to weblogs that reference 光になる:

« まずは、やってみること | Main | リップップ♪ »